FACET

銀座の超一等地に何度通っても見過ごしてしまう小さな小さな土地のキレハシがあった。ビルとビルの間のすきまでしかない。ここにインポートブランドのフラッグショップをつくりたいということである。まさしく切れ端であることを示すかたち。初期設定された楕円球が敷地境界線によって切り取られる。すべてが完結したビルディングの集積である通りに、不完全な断片が差し込まれる。フォルム間の「ハレーション」によって武装されたOBJECT。「ミニマル」であるがゆえ、外部にはらみ内部でかき込まれたかたちの2つの空間様態が衝突接合する。内外に仕掛けられた二重の強度。都市活性に向けてのSMALLNESSの戦略。残された3次曲面の断片はアルミダイキャストで被覆され、はからずも「フラッグ」のように見えた。